サイドバーで思う、地続きのインターネット

600px以上の画面でサイドバーが出るようにしてみた。グリッドシステムはchotaを使用した。

できるだけ装飾を使わないように作り始めたこのサイトだったが、古き良き時代のバナーを置いたりしているうち、その頃に戻ってみたくなった。

ブログを運営する手段がレンタルサーバーを借りて MovableType をインストールすることが第一候補となりえる時代において、サイドバーを表示すること、サイドバーに何を入れるか考えることは大きな課題であり楽しみだった。サイドバーには夢が詰まっていた。小さなバナーを敷き詰めてみたり、Firefox の宣伝をしてみたり。アリフィエイトを貼ってみたり。そのアフィリエイトはまずクリックされないこともセット。Google カスタムサーチ。Flickr のサムネイル。Last.fm の曲リスト。カテゴリと年月アーカイブのリンク。増えていくのが嬉しかった。

MovableType のバージョンが2系で、まだ WordPress が登場していなかった頃。Kengo さんの Going My Way の更新頻度が高く、よく読んでいた。なぜかベーグルの記事が印象に残っている。プログラミング関係では Web 標準や Perl をやっている方のブログを購読していた。ボックスの角丸は CSS で表現できず、div や p タグを重ねて背景画像を当てる必要があった。HTML の未来は XHTML が担うはずだった。携帯サイトや Flash の対応が大変だった。まだ Linux のコンソールは魔法や最終兵器のように思っていた。

インターネットを回顧するインターネット老人会という言葉がある。インターネットという言葉は大きい。ティム・バーナーズ=リー、ケン・トンプソン、ロバート・カーン、ヴィントン・サーフ、リーナス・トーバルズ、スティーブ・ウォズニアック、リチャード・ストールマン、村井純、インターネット時代のコンピュータに関わってきた多くの人物が2024年現在も存命で、関わり続けている。インターネットやその後継技術が今後100年、200年、1000年続くとしいて、その頃からみた現在は黎明期すら抜け出していないだろう。老人会という言葉を使うにはまだ早いように思う。

クラスを入れるだけでカラムが増えたり減ったりする技術の恩恵を感じつつ、過去に思いを馳せたのだった。