[ネタバレ有]マトリックス リザレクションズ

マトリックスシリーズ第4作目『マトリックス リザレクションズ』を観てきました。この1年くらいは IMAX シアターで映画を観てるんですが、今回はマトリックス風の IMAX ポスターを頂きました。とりあえず額に入れておきます。

総評

  • マトリックスファンにとっての救い。完璧な映画。
  • ヒューゴ・ウィーヴィングのスケジュールが合っていれば更によかった

どんな映画か

シリーズものの映画は、それまでの作品を見ていないと最新作の内容が理解できないものと、最新作だけを見ても理解できるものがあります。また、後者の場合でも単体の映画として楽しく観られる作品もあります。『マトリックス リザレクションズ』はそういった区分では特殊であり、「20年の間にマトリックスシリーズを何回も鑑賞し理解を深めつつ、自分の20年の人生を歩んできた方向け」です。マトリックスシリーズを全く知らない方が観ると全く意味が分からないが、シリーズのファンは非常に満足できる内容でした。

観ながら思ったこと

最初は「まさかループものじゃないだろうな」とか「全部夢でしたは止めてくれ」などと思っていました。おそらく監督も視聴者がそういった疑念を持つように、前半は意図してメタフィクショナルな描写を入れています。ネオが囚われているマトリックス内の世界が映画公開時点での「今」に寄せてあるんですが、これはかなり徹底していて、タハハ・・となった方も多いのではないでしょうか。

しかし、この描写があるからこそ中盤以降の盛り上がりがあります。「これが観たかったんだろ?」と言われているような。途中からはほんとにマトリックスです。

笑ったところ

カフェでネオ(キアヌ・リーヴス)とキャリー=アン・モス(トリニティ)が会う描写で「キアヌ変わってねぇ!」と思ったあと、マトリックスの中で「何で年を取っていないかは謎」みたいなことを言われていて面白かったです。

スミス役について

スミスとモーフィアスの役者が今作は作中60年、現実20年という時間経過に強い意味を持たせているので、キャストの変更の違和感が抑えられています。しかしやはり、3部作でスミスを演じていたヒューゴ・ウィーヴィングさんに言って貰いたかったなあというシーンはありますね。出演交渉はあったもののスケジュールが合わなかったらしく、この映画の数少ない惜しい点です。

とはいえ、今作のスミス役ジョナサン・グロフさんの演技は文句なしです。振る舞いがスミスっぽいんですよね。アクション的には、過去作と似たような演出でネオの腹をボコボコ殴るシーンがあって嬉しかったです。

テクノロジーの描写について

作中60年後に、タブレット状の情報端末を指でタッチするような描写が無いのが良かったです。私は2021年現在に存在するの形がインターフェイスの最終形だとは到底思えないので、未来設定の SF に理由なく現代と同じ形のタブレット端末を出すことに否定的です。それをやってしまうと、現実世界の端末やインタフェイスが進歩した時に、SF の未来ほうが古臭くなるという矛盾が生じます。SF のインターフェイスは魔法に見えるくらいで丁度いいです。

観るべき?

観るべきです。マトリックスと一緒に時間を重ねてきた方は特に。そして2021年の今観ることに価値のある映画です。